朝晩の空気が冷たくなってくると、スーパーやコンビニのお菓子売り場に並び始めるのが、アルコール入りのチョコレートたち。
パッケージには「期間限定」「アルコール分◯%」といった文字。
手に取って裏面を見てみると、思わず「え、けっこう度数高いな?」とつぶやきたくなる数字が並んでいます。
ウイスキーとチョコレートの相性が良いことは、すでに多くの方がご存じだと思います。
そこに「高アルコールのチョコレート」という第三の要素が加わると、その相性はさらに一段階、深くなる。
そして、その魅力を一番引き出してくれるのは、実はロックやストレートではなく「ホットウイスキー」かもしれません。
なぜウイスキーとチョコレートは合うのか

そもそも、なぜウイスキーとチョコレートはこんなにも相性がいいのでしょうか。
ひとつは「香り」の相性です。
ウイスキーには、バニラ、カカオ、ドライフルーツ、ナッツ、スパイスといった、複雑で甘い香りの要素がたくさん含まれています。
一方、チョコレートにもロースト香やカカオ特有のビター感、果実味を思わせるニュアンスがある。
このふたつを合わせると、お互いの香りの共通点が響き合い、足りないところを補い合う関係になります。
ビターなチョコはウイスキーの甘みを引き立て、ウイスキーのアルコールと香りは、チョコレートのコクを一段と奥行きのあるものにしてくれるのです。
そこに「アルコール度数高めのチョコレート」が加わるとどうなるか。
チョコレートの中に潜むリキュールが、ウイスキーとの境界線をあいまいにしてくれて、「チョコレートなのに、ほとんど小さな一杯のカクテル」のような存在になります。
「高アルコールチョコレート」は、小さな“飲むチョコ”

秋冬限定で発売されるアルコール度数高めのチョコレートは、中にウイスキーやブランデー、ラムなどのリキュールが入っているタイプが多く、かじると中からとろりとお酒があふれ出してきます。
口に含むと、最初はカカオの甘さとほろ苦さが。そして少し経つと、体温で溶けたチョコレートの中から、芳醇なアルコールがふわっと広がります。
「食べる」というより、「飲む」「味わう」という表現がしっくりくる瞬間ですね。
この“二段階構成”こそが、高アルコールチョコレートの面白さ。
しかも使われているお酒がウイスキー系であれば、ウイスキーそのものと合わせたときに、香りのラインが自然と揃ってくれます。
冷たいウイスキーより、ホットウイスキーがしっくり来る理由
とはいえ、ここで悩ましいのが「どういうスタイルのウイスキーを合わせるか」という問題です。
ロックやストレートももちろん合いますが、高アルコールチョコレートと組み合わせると、全体としてかなり“強い”印象になりがちです。
チョコレートの中のお酒。
グラスの中の冷たいウイスキー。
そこに口どけの脂質と糖分が乗ってくるので、「おいしいけど、ちょっとハード」と感じる方もいるかもしれません。
ここでおすすめしたいのが、「ホットウイスキー」とのペアリングです。
ウイスキーをお湯で割って50~60℃くらいに温めると、アルコールの角が丸くなり、
かわりに香りの成分がふわりと立ち上がってきます。
飲み口はやわらかくなるのに、香りの印象はむしろ豊かになる。
高アルコールチョコレートと合わせるには、まさに理想的なバランスです。
小さな儀式としての「ひと粒+一口」

具体的な楽しみ方は、とてもシンプルです。
- まずはホットウイスキーを用意する。
グラスにウイスキーを注ぎ、3~4倍のお湯で割る。香りが立ち上るのを楽しみながら、ひと口だけ味見をしておきます。 - 次に、高アルコールチョコレートをひと粒。
いきなり噛まず、まずは舌の上で少しだけ溶けかけるのを待ちます。
カカオの香りが立ってきたところで、そっとかじる。 - チョコレートの中から、とろりとお酒が広がる。
その余韻が残っているうちに、ホットウイスキーを一口。
温かいウイスキーが、チョコレートの脂質を溶かしながら喉へと流れていき、カカオとリキュールとウイスキーが、口の中でひとつの物語にまとまっていきます。
「チョコレートを食べてからウイスキー」
「ウイスキーをひと口飲んでからチョコレート」
順番を変えるだけでも、印象が少しずつ変わるので、自分の“定番の儀式”を見つけるのも楽しい時間です。
どんなウイスキーを合わせる?

では、どんなウイスキーを合わせるとよいのでしょうか。
たとえば
- 中にブランデーやウイスキーが入ったダークチョコレートには、
シェリー樽熟成のシングルモルトや、レーズンやドライフルーツ香のあるウイスキーを。
ホットにすることで、チョコレート側の果実味と見事に同調します。 - カカオ感の強いビターチョコには、
樽香とバニラが豊かなバーボンウイスキーを。
お湯で割ることで甘さが開き、チョコの苦味をやさしく包んでくれます。 - スモーキーさの強いチョコレート(ナッツやスモークフレーバー入りなど)には、
アイラ系のピーティなウイスキーを少しだけ。
ホットにすると煙たさが和らぎ、「焚き火のそばで食べるチョコレート」のような雰囲気になります。
どれも、「合わせるウイスキーは、チョコレートの中のアルコールより少しやさしく」を意識すると、バランスがとりやすくなります。
高アルコールチョコレート側が“パンチ担当”、ホットウイスキー側が“受け止める担当”というイメージですね。
「飲む量」ではなく、「味わう時間」を増やす

高アルコールチョコレートとホットウイスキーの組み合わせは、どうしてもアルコールが重なり合います。
だからこそ、意識したいのは「量より時間」です。
グラス一杯を何度もおかわりするのではなく、小さなグラスと小さなチョコを前に、ゆったりとした時間を楽しむ。
飲む量を増やすのではなく、「味わう時間」を増やす方向にシフトしていけると、心も体も、ずいぶん楽になるものです。
湯気の立つグラスと、ひと粒のチョコレートを前に、今日一日の出来事をふりかえりながら、静かに過ごす時間。
ホットウイスキーとチョコレートだけがつくってくれる、そんなひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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